2026/27シーズン インフルエンザ 2026年度インフルエンザワクチン 大阪・北河内は早くも流行期へ 2026年は例年よりかなり早い時期からインフルエンザが増えています。 大阪府や北河内の最新の流行状況をもとに、 「今年はいつワクチンを接種するのがよいのか」 「フルミストと注射はどちらがよいのか」について解説します。 更新:2026年9月17日 ※流行状況は公表済みの最新データ(第36週)に基づきます。 この記事のポイント 2026年は全国で例年より早くインフルエンザが増加しています。 [1] 大阪府は第36週(8月31日~9月6日)に定点あたり1.38となり、すでに流行期に入りました。 [2] 守口市を含む北河内でも、定点あたり報告数が0.50→0.92→1.28と増加しています。 [3] 全国の直近のウイルス検出ではA(H1N1)pdm09が多くを占めていますが、今後流行株が変化する可能性があります。 [1] 2026/27シーズンの注射型ワクチンはA型2株・B型1株の3価で、3株すべてが昨シーズンから変更されています。 [4] フルミストは2歳以上19歳未満が対象ですが、注射型より一律に優れているとは確認されていません。 [8][10] 当院ではフルミストは取り扱わず、注射型インフルエンザワクチンを使用しています。 2026年はインフルエンザの流行がかなり早く始まっています まず今年は、例年のインフルエンザシーズンと少し状況が異なります。 国立健康危機管理研究機構(JIHS)の2026年第36週 (8月31日~9月6日)の速報では、 全国のインフルエンザ定点あたり報告数は 3.29 で、前週の1.76からさらに増加しました。 47都道府県のうち43都道府県で前週より増加しています。 [1] 全国・第36週 3.29 前週 1.76 → 増加 大阪府・第36週 1.38 流行開始の目安「1」を超過 北河内・第36週 1.28 第34週 0.50から増加 大阪府は過去10シーズンで2番目に早い「流行期入り」 大阪府では第36週の定点あたり患者報告数が1.38となり、 流行開始の目安とされる「1」を超えました。 第36週での流行期入りは、過去10シーズンでは 2023/24シーズンに次いで2番目に早く、 2025/26シーズンより2週早い流行開始です。 [2] 守口・門真・寝屋川を含む北河内でも増加しています 当院のある守口市を含む北河内地域でも、 インフルエンザの患者報告数は増加傾向です。 週 期間 北河内 大阪府全体 第34週 8/17~8/23 0.50 0.45 第35週 8/24~8/30 0.92 0.77 第36週 8/31~9/6 1.28 1.38 北河内では2週間で0.50から1.28まで増えており、 守口市・門真市・寝屋川市など当院周辺でも、 「まだ9月だからインフルエンザは先」とは考えにくい状況になっています。 [3] なお、これらは定点医療機関からの速報値であり、 地域に存在する患者さん全員の人数を示すものではありません。 また、後日数値が修正される場合があります。 今年はA(H1N1)pdm09が先行しています JIHSの病原体サーベイランスでは、 2026年第32~36週の直近5週間に型別されたインフルエンザウイルス57件のうち、 A(H1N1)pdm09が56件(98%) 、 A(H3N2)が1件(2%)でした。 [1] ただし、「今年は最後までH1N1だけが流行する」という意味ではありません。 シーズン途中でA(H3N2)やB型が増えることもあります。 また、現時点のウイルス検出数はまだ少なく、 全国データをそのまま北河内の流行株とみなすこともできません。 2026/27シーズンのワクチンは3株すべて変更 2026/27シーズンの国内のインフルエンザHAワクチンには、 A型2株とB型1株の計3株が含まれます。 厚生労働省の検討では、 3株すべてが2025/26シーズンから変更 されました。 [4] 型 2026/27シーズン製造株 A(H1N1)pdm09 A/Switzerland/6849/2025(IVR-278) A(H3N2) A/Michigan/105/2025(SAN-049A) B/Victoria B/Tokyo/EIS13-175/2025 現在全国で多く検出されているA(H1N1)pdm09も、 2026/27シーズンのワクチンに含まれています。 ただし、 2026/27シーズンの実際のワクチン有効率は、 シーズンが始まったばかりの現時点ではまだ評価できません。 ワクチン株と実際の流行株の抗原性の一致、 年齢、免疫状態などによって有効性は変化します。 今年はいつ接種するのがよい? 厚生労働省は通常、冬の流行に備えて 12月中旬までにインフルエンザワクチンの接種を終える ことを目安としています。 [5] しかし2026年は、大阪府ではすでに9月上旬に流行期へ入り、 北河内でも患者報告数が増えています。 そのため今年については、 「例年どおり10月や11月になるまで必ず待つ」必要はない と当院では考えています。 当院の考え方:今年は「早めの接種」が合理的です ワクチンの効果は接種直後から最大になるわけではなく、 免疫が形成されるまでには一定の時間が必要です。 一方で、接種後の予防効果は時間とともに徐々に低下することも知られています。 [7] そのため平年であれば、 冬のピークに合わせて10~11月頃に接種する考え方には合理性があります。 ただし今年は、 すでに大阪・北河内で流行が始まっています。 最近のレビューでも、ワクチン効果はシーズン中に徐々に低下するものの、 接種を遅らせることで集団全体として大きく一貫した利益が得られるという根拠は示されていません。 [7] したがって、特に高齢の方や基礎疾患のある方、 人との接触機会が多い方では、 ワクチンが接種可能になれば早めに接種することを検討してよいと考えています。 当院では任意接種を9月15日から開始しています 今年の早い流行状況を踏まえ、 大日てらしまクリニックでは 任意接種のインフルエンザワクチンを2026年9月15日から開始 しています。 高齢者などを対象とした定期接種は 10月1日から 開始します。 対象者、自己負担額、予約方法などの詳細は、 ワクチンのお知らせページをご確認ください。 関連するお知らせ 2026年度 インフルエンザ・新型コロナワクチンのご案内 接種開始日・対象者・費用・予約方法はこちらからご確認ください。 インフルエンザワクチンに期待できること インフルエンザワクチンを接種しても、 インフルエンザへの感染を完全に防ぐことはできません。 ワクチンには、 インフルエンザの発症を一定程度減らす効果に加えて、 肺炎などの重症化を予防する効果 が期待されています。 [5] 特に高齢の方や基礎疾患のある方では、 インフルエンザそのものだけでなく、 肺炎や持病の悪化などによって入院が必要になることがあります。 高齢の方 年齢とともにインフルエンザによる重症化・入院のリスクが高くなります。 糖尿病・心疾患・肺疾患 基礎疾患がある方では重症化リスクが高くなるため、ワクチン接種を検討する意義があります。 慢性腎臓病(CKD) 腎疾患もインフルエンザ重症化のリスク因子のひとつとされています。 [6] 75歳以上の「高用量ワクチン」は今年どうなった? 2026年度から、75歳以上の方を対象に 通常より抗原量を増やした 高用量インフルエンザワクチン を 定期接種へ導入する方針が一度は決まっていました。 しかし、製造工程上の問題により2026/27シーズンの供給が困難となったため、 厚生労働省は 2026年度からの定期接種への導入を見送っています。 [11] したがって、2026/27シーズンは従来の標準量インフルエンザワクチンが基本です。 「75歳を超えているので高用量ワクチンが出るまで待った方がよい」という状況ではありません。 フルミストとは?鼻から接種するインフルエンザワクチン フルミストは、 鼻に噴霧して接種する 弱毒生ワクチン です。 日本では2024/25シーズンから実際の接種が始まり、 国内の承認対象は 2歳以上19歳未満 です。 1シーズンに0.2mLを1回、左右の鼻腔に噴霧します。 [8][9] 項目 注射型ワクチン フルミスト 種類 不活化ワクチン 弱毒生ワクチン 接種方法 注射 鼻腔内へ噴霧 国内の対象年齢 生後6か月以上 2歳以上19歳未満 主なメリット 長年の使用実績があり、幅広い年齢で使用可能 注射の痛みがない 主な注意点 注射部位の痛み・腫れなど 生ワクチンのため、基礎疾患や免疫状態などに注意が必要 フルミストの方が注射より効くの? 「鼻から入ってくるインフルエンザに対して、 鼻の粘膜で免疫をつくるならフルミストの方が効くのでは?」 と考える方もいると思います。 フルミストには鼻粘膜の局所免疫を誘導するという特徴がありますが、 現時点では注射型インフルエンザワクチンより 一律に高い予防効果を示すとは確認されていません。 日本小児科学会も、 2歳以上19歳未満では注射型の不活化ワクチンと 経鼻弱毒生ワクチンのいずれも選択肢とし、 両者のインフルエンザ罹患予防効果について 明確な優位性は確認されていないとしています。 [8] 小児を対象としたランダム化比較試験のメタ解析でも、 全体としてLAIV(経鼻生ワクチン)とIIV(注射型不活化ワクチン)の間に 明確な有効性の差は示されませんでした。 [10] フルミストの大きなメリットは「注射をしなくてよいこと」です。 「新しいワクチンだから効果が高い」 「鼻から接種するから注射より優れている」 と単純に考える必要はありません。 当院でフルミストを取り扱わない理由 当院では注射型インフルエンザワクチンを採用しています 当院ではフルミストを取り扱っていません。 ただし、フルミストそのものを否定しているわけではありません。 特に注射が苦手なお子さんにとって、 鼻から接種できることには大きなメリットがあります。 一方、日本国内での対象は2歳以上19歳未満であり、 当院は成人を中心とした内科診療を行っていること、 また現時点では注射型ワクチンより明確に高い有効性が 確認されているわけではないことから、 当院では従来の注射型ワクチンを採用しています。 [8][10] フルミストをご希望の場合は、 フルミストを取り扱っている小児科などへお問い合わせください。 フルミストを選ぶ際に注意したいこと フルミストは弱毒生ワクチンのため、 注射型ワクチンとは注意点が異なります。 日本小児科学会が注射型ワクチンを推奨している主なケース 2歳未満 19歳以上 喘息のある方 免疫不全のある方 妊娠中の方 無脾症の方 周囲に免疫不全の方がいる場合 その他、生ワクチンの使用に注意が必要な状態 実際に接種できるかどうかは、 年齢、持病、服薬内容などを確認したうえで判断します。 [8][9] 注射型インフルエンザワクチンの副反応 注射型ワクチンでは、 接種した部分の赤み、腫れ、痛みなどがみられることがあります。 発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状が出る場合もあります。 多くは一時的ですが、 まれにアナフィラキシーなどの強いアレルギー反応が起こる可能性があります。 過去の予防接種で強いアレルギー反応があった方は、 接種前に医師へお伝えください。 よくある質問 Q. 今年は9月に接種しても早すぎませんか? 2026年は大阪府ですでに9月上旬から流行期に入っています。 通常より早い流行を踏まえると、ワクチンが接種可能であれば、 特に高齢の方や基礎疾患のある方が一律に10~11月まで待つ必要はないと考えます。 Q. 早く接種すると冬には効果がなくなりませんか? ワクチンによる予防効果は時間とともに徐々に低下しますが、 数か月で突然ゼロになるわけではありません。 一方で今年はすでに流行しているため、 接種を遅らせることによる感染機会も考慮する必要があります。 [7] Q. 今流行しているH1N1に今年のワクチンは対応していますか? 2026/27シーズンの3価ワクチンにはA(H1N1)pdm09株が含まれています。 ただし、今年の流行株との実際の抗原性の一致やワクチン有効率は、 今後のサーベイランス結果を待つ必要があります。 Q. フルミストの方が注射より効果が高いですか? 現時点では一律に高いとは言えません。 日本小児科学会も、対象年齢では注射型とフルミストの どちらか一方に明確な有効性の優位性は確認されていないとしています。 Q. 大人もフルミストを接種できますか? 国内で承認されている対象年齢は2歳以上19歳未満です。 19歳以上は国内の承認対象ではありません。 Q. 75歳以上なら高用量ワクチンの方がよいですか? 高用量ワクチンは2026年度からの定期接種導入が予定されていましたが、 供給上の理由から2026/27シーズンへの導入は見送られました。 今シーズンは従来の標準量ワクチンを使用します。 まとめ|今年は「例年より早い流行」を意識しましょう 2026年は、全国的にインフルエンザの増加が早く、 大阪府では9月上旬の時点ですでに流行期に入りました。 北河内でも患者報告数は増加しています。 そのため今年については、 「インフルエンザワクチンは10月や11月になってから」 と一律に考えるのではなく、 地域の流行状況とご自身の重症化リスクを踏まえて 接種時期を考えること が大切です。 インフルエンザワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、 発症や重症化のリスクを減らすことが期待できます。 特に高齢の方や慢性腎臓病、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などをお持ちの方は、 早めの接種をご検討ください。 大日てらしまクリニックでのインフルエンザワクチン接種 2026年度は、任意接種を9月15日から、 定期接種を10月1日から実施しています。 原則予約制ですが、当日でも在庫状況によって接種できる場合があります。 WEB予約・お電話・受付にてご相談ください。 ※当院ではフルミストの取り扱いはありません。 2026年度ワクチンのお知らせを見る 参考文献 国立健康危機管理研究機構(JIHS). インフルエンザ(2026年第36週)疫学情報. 2026. 大阪府. 「過去10シーズン中2番目の早さで流行期入り!」 インフルエンザの発生状況について. 2026年9月10日. 大阪府感染症情報センター. インフルエンザ定点あたり患者数 (2026年第36週まで). 2026. 厚生労働省. 2026/27シーズン向けインフルエンザHAワクチンの製造株について. 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会. 2026. 厚生労働省. インフルエンザワクチン(季節性). 国立健康危機管理研究機構. 高齢者に対するインフルエンザワクチン ファクトシート. 2025. Intraseasonal waning of influenza vaccine effectiveness and implications for the optimal timing of seasonal vaccination programs: A scoping review. 2026. PMID: 42592326. 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会. 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方. 2024. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA). フルミスト点鼻液 添付文書. 2026年8月改訂. Garai R, Jánosi Á, Krivácsy P, et al. Head-to-head comparison of influenza vaccines in children: a systematic review and meta-analysis. J Transl Med. 2024;22:903. DOI: 10.1186/s12967-024-05676-9. 厚生労働省. 第66回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会. 高用量インフルエンザワクチンについて. 2026年7月23日.