「いびきが大きい」「寝ている間に息が止まっている」と家族に言われても、自分ではよく眠れていると感じることがあります。日中に眠気がないと、「検査までは必要ないのでは」と思うかもしれません。 でも、眠気がないことだけでは、睡眠時無呼吸を否定できません。家族からの指摘は、睡眠中の呼吸について相談する大切なきっかけになります。 [1] 眠くない・太っていない。それでも起こることがあります 睡眠時無呼吸は、眠っている間に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。いびきや日中の眠気がきっかけで気づく方もいますが、眠気を強く自覚しない方もいます。 [1] 肥満がなくても、あごやのどの形などが関係して起こることがあります。見た目や自覚症状だけで「自分は大丈夫」と判断せず、睡眠中の様子を診察時にお伝えください。 [1] いびき・呼吸停止の指摘は、どれくらい参考になる? 北京の睡眠専門外来で成人202人を調べた研究では、検査で中等症以上だった群と、それ未満だった群で、次の割合で症状が報告されました。 [4] 報告された症状 中等症以上 (AHI≧15) 中等症未満 (AHI<15) 呼吸停止の目撃(週3回以上) 69.3% 21.3% いびき(週3回以上) 98.4% 81.3% 中等症以上とは、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸が15回以上ある状態です。中等症未満の群には、軽症の方も含まれます。 呼吸停止の指摘は検査を相談する手がかりですが、それだけで診断はできません。 いびきは両方の群で多く、いびきだけで見分けるのはさらに難しいことが分かります。 [4] この表は、各群で症状が報告された割合です。「指摘された方が病気である確率」を示したものではありません。また、症状は本人または同床者から聞いており、家族だけの判定精度を調べた研究ではありません。男性が多い専門外来の結果で、日本の一般の方や、眠気がない方だけに同じ数字が当てはまるとは限りません。 [4] 受診では、何を相談すればよいですか? 家族から「息が止まるように見える」「静かになったあと急に大きく息を吸う」と言われた場合は、そのままお伝えください。いつ頃から、どのような様子を、どのくらいの頻度で指摘されたかが分かると、相談しやすくなります。 普段の睡眠時間、日中の眠気、朝の頭痛、治療中の病気、服用中のお薬もお知らせください。家族の同伴や動画撮影は必須ではありません。記録がないために受診を遅らせる必要はありません。 相談から検査・対応まで ① 家族の指摘・気になる症状 ↓ ② 診察で相談(眠気がなくても構いません) ↓ ③ 医師が必要に応じて睡眠検査を実施 ↓ ④ 結果をもとに対応を相談 検査方法は、問診・診察を踏まえて選びます。自宅での簡易検査が適している場合も、詳しい睡眠検査(PSG)が必要な場合もあります。簡易検査で十分に判断できないときや、結果と症状が合わないときは、追加の検査を検討します。簡易検査が陰性でも、それだけで問題なしと決めないことが大切です。 [2] よくあるご質問 スマートウォッチや家族が撮った動画だけで分かりますか? 診察の参考にはなりますが、記録や通知だけで睡眠時無呼吸の有無や重症度を確定することはできません。気になる記録があればお持ちください。医療用の睡眠検査が必要かどうかを、診察で判断します。 [2] [3] 検査を受けたら、必ずCPAPになりますか? 必ずしもそうではありません。検査結果に症状や持病も合わせて、治療を検討します。CPAPのほか、生活習慣の見直しや、適応に応じたマウスピースなどの選択肢もあります。まずは検査や治療が必要かどうかを確認するためのご相談で構いません。 [1] 家族からの指摘が気になったら、ご相談ください 日中の眠気がなくても、睡眠中の呼吸停止を指摘されている方は、そのことを受診時にお知らせください。いびきだけで病気と決まるわけではありませんが、自己判断で済ませず、必要な検査を相談することが大切です。 当院の検査・治療については、 いびき・睡眠時無呼吸の診療案内 をご覧ください。守口・大日周辺からも、門真市(古川橋)、寝屋川市方面からも、ご来院前に アクセス・診療時間 をご確認いただけます。 Web予約はこちら 参考資料 [1] 日本呼吸器学会「Q15. 夜、呼吸、いびきが止まると言われました。」2024年9月。 https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q15.html [2] Kapur VK, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. J Clin Sleep Med. 2017;13:479–504. https://aasm.org/resources/clinicalguidelines/diagnostic-testing-osa.pdf [3] American Academy of Sleep Medicine. Health Advisory: Sleep Apps and Devices that Self-Assess Risk of Obstructive Sleep Apnea. 2025年1月10日採択。米国の機器に関する注意喚起であり、日本での個別製品の承認・保険適用を示すものではありません。 https://aasm.org/wp-content/uploads/2025/04/apps-devices-sleep-apnea-risk-health-advisory.pdf [4] He S, et al. Using clinical data to predict obstructive sleep apnea. J Thorac Dis. 2022;14(2):227–237. doi:10.21037/jtd-20-3139. Table 1・Table 3および本文。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8902098/ 資料確認日:2026年10月28日